みえの感染症ガイドブック
ボツリヌス症:4類感染症:全数把握疾患
(Botulism)
病原体  ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の栄養型が産生する神経毒素(A〜G型)
好発年齢  なし
分布  毒素を産生する菌は、世界各地の河川の泥、土壌中に芽胞として存在する
性差  なし
好発時期  
県内及び国内における発生状況
乳児ボツリヌス症は03年11月5日からボツリヌス症に含まれた。

2017年の都道府県別届出状況( 最新週報:今週届出数と本年届出数累計)

 国内における乳児ボツリヌス症の最初の報告は、1986 年に発生した輸入ハチミツが原因食品とされるボツリヌスA型菌による乳児の症例で、その後、国内で報告された20 例足らずの大半は、A型菌によるものである。(参考:IDWR感染症の話)
 県内における発生は報告されていない。

 また、ボツリヌス食中毒は、1984年(昭和59年)にボツリヌスA型菌に汚染された辛子レンコンを原因食品として患者36人、死亡者11人の大規模な発生があった。それ以降は、年間0〜3件(患者数1〜10人)程度の発生がみられる(厚生労働省食中毒統計ほか)。
井戸水を原因食品とする乳児ボツリヌス症の報告(厚生労働省2006年12月8日)

感染経路  毒素、または多量の芽胞の食品、飲料水等への混入、または噴霧による
潜伏期間  曝露・感染経路(経呼吸器または経消化器)と曝露された毒素量、芽胞の量によるが、通常、数時間〜48時間とされている

感染期間  抗毒素治療の開始時期や治療法により異なるため、一概に言えない。
 入院期間は、治療開始時期や治療法により異なり、長期では数か月に及ぶ例もある。

 
症状  全身の横紋筋、平滑筋の筋力の低下に伴う様々な症状。
○消化管、泌尿器系の障害: 通常は腸管の蠕動障害による便秘、嘔気、嘔吐、腹痛、嚥下困難、尿閉、口の渇き、初期では下痢がみられる場合もある。
○視覚異常: 眼筋の麻痺による複視、瞳孔散大、対光反射の消失、めまい、眼瞼下垂
○呼吸器の障害: 呼吸筋麻痺、呼吸困難
○運動筋の障害: 四肢筋力の低下、歩行障害など
○血圧調整障害: たちくらみ(起立性低血圧)

感染予防
感染管理
○毒素性の場合は2次感染の恐れはない。
○ボツリヌス菌が腸管内で増殖する食事性ボツリヌス症や乳児ボツリヌス症の場合、糞便中にボツリヌス菌または芽胞が排泄されるため、2次感染予防が必要な場合もある。
治療   ボツリヌス食中毒は毒素そのものを摂取して発症するが、乳児ボツリヌス症の場合は生体内で増殖した菌が毒素を産生して病気を引き起こす。そのためまれには、治療として抗菌薬投与による除菌が行われる場合がある。また、ボツリヌス食中毒で行われる抗毒素療法は、患者が乳児であること、致命率が高くないこと などの理由から、一般には行われない。
(引用:国立感染症研究所感染症情報センター「感染症の話:乳児ボツリヌス症」) 
詳細情報  国立感染症研究所感染症情報センター:感染症の話へ(参考:乳児ボツリヌス症)

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