高病原性鳥インフルエンザ
(Highly Pathogenic Avian Influenza)
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WHO発表情報:IDSC訳WHO原文
三重県高病原性鳥インフルエンザ対応マニュアル
三重県新型インフルエンザ対策行動計画
鳥インフルエンザに関する情報(関連情報):厚生労働省

T 疾病の特徴

1.トリの疾病としては
 死亡率が高い、又はウイルスが変化して死亡率が高くなる可能性のある特定のインフルエンザウイルスによるものをいう。鶏、あひる、七面鳥、うずら等が感染し、神経症状(首曲がり、元気消失等)、呼吸器症状、消化器症状(下痢、食欲減退等)等を呈する。トリ同士の接触感染の他、水、排泄物等を介したトリへの感染もある。わが国では家畜伝染病予防法の家畜伝染病(法定伝染病)に指定されている。※獣医師から都道府県知事への届出基準と届出様式

2.ヒトへの感染は
 感染したトリとの接触等により感染例が知られているが、食品(鶏卵、鶏肉)を食べることによるヒトへの感染は世界的にも報告されていない。わが国では感染症法の四類感染症 (H5N1亜型は指定感染症)に指定されている。※医師から都道府県知事への届出基準と届出様式

3.仮にヒトに感染しても
 ヒトのA型インフルエンザウイルスの診断に使う迅速診断キットで、鳥インフルエンザウイルスを検出することが可能であり、また、A型インフルエンザの治療に用いられている抗インフルエンザウイルス薬が、鳥インフルエンザに効果があるといわれている。

鳥インフルエンザ対策について〜農林水産省に聞く〜
   (政府インターネットテレビ:2007年2月2日放送)

高病原性鳥インフルエンザ・かんたんQ&A
国民の皆様へ(内閣府食品安全委員会等)  同委員会委員長談話(2005年6月27日)
鳥インフルエンザ緊急総合対策【概要/本文(首相官邸)
WHO/FAO共同声明:適切に調理された鶏肉や鶏卵は、これを食べても鳥インフルエンザに感染する危険性はありません(2005年12月5日)

U 人での発生状況

 香港(H5N1型:1997年、2003年)、オランダ(H7N7型:2003年)、カナダ(H7型:2004年)での発生が確認されていたが、2003年11月に中国北京市でH5N1型のヒトへの感染例が発生していたことが実験室診断によって確認され(2006年8月8日WHO発表:これまでは2003年12月 のベトナム・ハノイ市での発生が最初とされていた)、それ以降、下表のとおり発生が続いている

   * ヒト感染例原表 (WHO発表最新情報)  ・ヒト感染例分布地図(厚生労働省)


WHOに報告されたH5N1ヒト感染例の疫学解析結果      2006年6月30日

 2003年12月〜2006年4月30日までの間に実験室診断により確定され、WHOに公式に報告されたH5N1ヒト感染例、全205例の疫学解析の結果を報告する。解析に用いたデータは、サーベイランス目的のために収集されたもので、その品質、信頼性、報告様式が国により異なっていましたが、次に掲げるいくつかの結論に到達することができた。

@2005年10月以後、ヒト感染例が発生した国の数は、鳥での集団発生の地理的な拡大に沿って、4ヶ国から9ヶ国に増加した。
A症例の半数が20歳未満で、90%が40歳未満であった。
B全年齢での死亡率は56%でいずれの年齢階級においても高かったが、特に10歳〜39歳未満の年齢階級で高かった。
C年齢階級別の死亡率は、季節流行している通常のインフルエンザとは異なり、高年齢群で高かった。
D年別の死亡率は2004年の73%が最も高く、次いで2006年(4月30日まで)の63%、2005年の43%の順であった。
E発病から入院までの期間別の死亡率と、発病から死亡までの期間別の死亡率をみると、疾病態様はこの3ヶ年で本質的に変化していないことを示唆していた。
F患者は年間を通して発生していたが、3ヶ年とも、北半球の冬から春にあたる時期にピークとなる流行パターンを示していた。もしこの流行パターンが続くならば、2006年末から2007年初頭にかけて患者が急増するかも知れない。
G発生状況の監視、リスク評価、H5N1患者への対応を改善するためには、一層標準化された疫学データの収集と、これらデータのタイムリーな共有が不可欠である。

詳細は;Weekly Epidemiological Record (WER) vol. 81, 26 (pp 249–260).

※WHO最新のヒト症例定義(訳文:pdf2006年8月29日

V 三重県健康福祉部の対応

 県内で高病原性鳥インフルエンザが発生した場合、「三重県高病原性鳥インフルエンザ対策本部」のもと、健康福祉部として迅速かつ適切に対応できるよう、対応マニュアルを策定しました。(2004年3月12日制定、同年4月1日改定、同年10月1日改定、2006年4月1日改定、2007年4月1日改定、2008年5月12日改定)

 また、鳥類の間でインフルエンザが流行すると、ウイルスがその性質を変えて人への感染力を獲得し、人から人に感染する“新型インフルエンザウイルス”が出現する可能性が高くなります。このため、国は、2005年11月に「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定しましたが、三重県としても行動指針の整備が必要であると考え、「三重県新型インフルエンザ対策行動計画」を策定しました。

W 鳥類での発生状況

1.鳥類での発生は
 香港、中国、台湾、米国、カナダ、ドイツ、韓国、オランダ、デンマーク、イタリア、チリ、ベトナム、タイ、カンボジア、ラオス、パキスタン、インドネシア 、モンゴル、ロシア、クロアチア、ウクライナ、カザフスタン、マレーシア 、ルーマニア、トルコ、日本等、世界各地で発生が確認されている。
(国際獣疫事務局OIE)
鳥インフルエンザの分布世界地図(IDSC)

わが国での発生状況

発表月日 亜型 発生・発見場所 鳥の種類 詳細
(リンク)
1925 H7N7

2004 1月12日 H5N1 山口県阿東町採卵鶏農場 ※1
2月17日 H5N1 大分県九重町民家 チャボ、アヒル ※2
2月27日
(3月1日)
H5N1 京都府丹波町採卵養鶏場※3 農水省
3月9日 H5N1 京都府丹波町採卵養鶏場、京都府園部町 死亡カラス2例 農水省
3月10日
(3月15日)
H5N1 大阪府茨木市 死亡カラス1例 大阪府
3月12日
(3月13日)
H5N1 京都府丹波町 死亡カラス2例 京都府
3月13日
(3月16日)
H5N1 京都府丹波町 死亡カラス1例 京都府
3月17日
(3月20日)
H5N1 京都府亀岡市内山林 死亡カラス1例 京都府
3月17日
(3月22日)
H5 大阪府茨木市上音羽 死亡カラス1例 農水省
4月9日 H5N1 京都府亀岡市内 死亡カラス1例 京都府
2005 6月26日 H5N2 茨城県水海道市、小川町 農水省

茨城県
 
埼玉県
8月18日 H5亜型 埼玉県鴻巣市
2007 1月13日 H5N1 宮崎県清武町 農水省
宮崎県
1月25日 H5N1 宮崎県日向市
2月1日 H5N1 宮崎県新富町
1月29日 H5N1 岡山県高梁市 農水省
岡山県
2008 4月28日 H5N1 秋田県十和田湖畔 白鳥 厚労省
秋田県
5月5日 H5N1 北海道根室市別海町野付半島 白鳥 環境省
北海道
5月10日 H5N1 北海道サロマ湖畔 白鳥
5月22日 H5N1 青森県十和田湖畔 白鳥 青森県
2009 2月27日 H7N6 愛知県豊橋市 ウズラ 愛知県
農水省
2010 10月26日 H5N1 北海道稚内市 カモの糞 環境省
11月29日 H5N1 島根県安来市 鳥根県
農水省
12月17日 H5N1 富山県高岡市 コブハクチョウ 富山県
12月18日 H5N1 鳥取県米子市 コハクチョウ 鳥取県
12月21日 H5N1 鹿児島県出水市 ナベズル 鹿児島県
出水市
2011 1月19日 H5N1 福島県郡山市豊田町 キンクロハジロ 福島県
1月23日 H5N1 北海道の国指定厚岸・別寒辺牛・霧多布鳥獣保護区 オオハクチョウ
カモ、オナガガモ
北海道
1月24日 H5N1 宮崎県宮崎市、児湯郡新富町 宮崎県
農水省
1月25日 H5N1 国指定宍道湖鳥獣保護区(島根県松江市) キンクロハジロ 鳥根県
環境省
1月26日 H5N1 兵庫県伊丹市 カイツブリ
ホシハジロ
兵庫県
環境省
1月26日 H5N1 鹿児島県出水市 鹿児島県
出水市
1月27日 H5N1 愛知県豊橋市
豊橋市
農水省
1月27日〜2月1日 H5N1 宮崎県都農町、川南市、延岡市、高鍋町、宮崎市高岡町 宮崎県
農水省
1月31日 H5N1 高知県仁淀川町 オシドリ 高知県
2月1日 H5N1 北海道の国指定厚岸・別寒辺牛・霧多布鳥獣保護区 オオハクチョウ
北海道
2月1日 H5N1 鳥取県米子市
ユリカモメ
キンクロハジロ
鳥取県
2月2日 H5N1 大分県大分市 大分県
農水省
2月5日 H5N1 宮崎県延岡市、西都市  オシドリ、ハヤブサ 宮崎県
2月6日 H5N1 長崎県長崎市  オシドリ 長崎県
2月5日〜
2月7日
 
H5N1 宮崎県高千穂町、都農町、門川町、宮崎市高岡町    宮崎県
農水省
2月8日
2月21日
H5N1 北海道の国指定厚岸・別寒辺牛・霧多布鳥獣保護区 オオハクチョウ
北海道
2月11日 H5N1 兵庫県加東市  コブハクチョウ 兵庫県
2月12日 H5N1 山口県宇部市  キンクロハジロ 山口県
2月14日 H5N1 愛知県新城市    愛知県
2月15日 H5N1 和歌山県紀の川市     和歌山県
2月15日 H5N1 福島県福島市  コハクチョウ   福島県
2月16日 H5N1 三重県南牟婁郡紀宝町    三重県
2月17日 H5N1 徳島県那賀町 フクロウ  徳島県
2月17日 H5N1 大分県中津町 オシドリ 大分県
2月17日 H5N1 宮崎県諸塚町 カイツブリ 宮崎県
2月17日 H5N1 宮崎県延岡市   宮崎県
2月20日 H5N1 長崎県諫早市  ハヤブサ  長崎県 
2月20日 H5N1 大分県大分市   オシドリ 大分県 
2月20日 H5N1 宮崎県宮崎市  ハヤブサ  宮崎県 
2月20日 H5N1 鹿児島県出水市  ナベヅル  鹿児島県
出水市
 
2月21日 H5N1 栃木県宇都宮市   ハヤブサ 栃木県 
2月22日 H5N1 京都府精華町   ハヤブサ 京都府 
2月22日 H5N1 大分県大分市  アオサギ 大分県 
2月22日 H5N1 宮崎県日南市  オシドリ  宮崎県 
2月22日 H5N1 宮崎県延岡市   ハヤブサ 宮崎県 
2月26日 H5N1 三重県度会郡南伊勢町    三重県
2月28日 H5N1 鳥取県大山町  キンクロハジロ  鳥取県 
2月28日 H5N1 鳥取県米子市  ホシハジロ、ハヤブサ  鳥取県 
2月28日 H5N1 長崎県長崎市  オシドリ  長崎県 
2月28日 H5N1 奈良県五條市    奈良県 
3月2日 H5N1 兵庫県西宮市  カンムリカイツブリ 兵庫県
3月8日 H5N1 島根県松江市 キンクロハジロ、
ホシハジロ
島根県 
3月13日 H5N1 千葉県千葉市  千葉県 
3月15日 H5N1 青森県三沢市  ハヤブサ 青森県 
3月25日 H5N1 島根県出雲市  キンクロハジロ 島根県 

※1)2004年1月12日:山口県阿東町の採卵鶏農場でH5N1型の発生が確認され(79年ぶり)、農林水産省では、発生した農場への立入制限、飼育されている鶏の殺処分、卵の出荷自粛、鶏舎の消毒、同農場から半径30km以内の家きんの移動制限を指導し、厚生労働省では、同農場からの鶏卵の自主回収の要請、養鶏従事者の健康状態の確認及び感染防御の徹底を指導した。なお、移動制限措置は、農林水産省高病原性鳥インフルエンザ防疫マニュアルに基づき、2月19日午前0時に解除された。
※2)2004年2月17日:大分県九重町の民家で飼養されていたチャボとアヒルにH5亜型(2月19日、H5N1型であることが判明)の発生が確認され、所要の防疫措置が講じられた。なお、移動制限措置は、3月11日午前0時に解除された。
※3)京都府丹波町で発生した高病原性鳥インフルエンザについては、区域内の清浄性が確認され、4月13日午前0時に移動制限等すべての制限が解除された。

2.感染経路究明経過(農水省)

野鳥の鳥インフルエンザ検査結果( 三重県環境省全国調査

感染経路究明チーム報告書(概要版pdf)2004年7月1日
 [要旨]
1)海外からの侵入は、渡り鳥によって朝鮮半島等から我が国に持ち込まれた可能性がある。
2)農場及び鶏舎内への侵入は、カモなどの渡り鳥の糞が感染源となり、付近に生息する留鳥(渡りをしない鳥)、ネズミ等の動物や人などの媒介により、鶏舎に持ち込まれた可能性が考えられる。

X  参考

米国科学紙サイエンス「猫における鳥インフルエンザ(H5N1)」
  国立感染症研究所獣医科学部仮訳(pdf).
2004年9月15日

関連情報メニュー(リンク)


1)鳥インフルエンザに関するQ&A(IDSC)

2)鳥インフルエンザ感染が疑われる患者に対する医療機関での対応(IDSC)2007年1月4日改訂

3)H5N1亜型高病原性鳥インフルエンザが集団発生している国々への旅行者およびそれらの国々からの旅行者に関連するWHO勧告:IDSC訳(2005年11月)

4)国内の鳥類における インフルエンザ(H5N1)発生時の調査等(厚労省)2006年12月27日

5)インフルエンザ(H5N1)に係る積極的疫学調査の実施等(厚労省)2006年11月22日

6)WHO高病原性鳥インフルエンザ・ファクトシート[ IDSC訳文]2004年1月15日

7)高病原性鳥インフルエンザに感染し又はそのおそれのある動物の殺処分に関わる人々に対する感染防御のためのWHO勧告2004年1月26日

8)高病原性鳥インフルエンザに関する患者サーベイランスの強化(厚労省)2004年2月2日

9)医師から都道府県知事等への届出基準

10)厚労省ホームページ鳥インフルエンザ情報  
 
 渡航者向け情報(2007年4月) 

11)農林水産省ホームページ鳥インフルエンザ情報

12)高病原性鳥インフルエンザ   (動物衛生研究所)

13)環境省ホームページ鳥インフルエンザ情報

14)三重県農水商工部ホームページ

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