トップページへ戻る                       みえの感染症ガイドブックへ
トピックスメニューへ戻る

麻疹の予防接種を受けましょう!
麻疹は5類全数届出感染症に変更されました

 麻疹は、かつては3月から患者数が増え始め、5月をピークに流行が見られました。
 三重県では、1984年、1991年に大流行し、1994年まで毎年比較的大きな流行が見られましたが、1995年以降は大きな流行はみられず、近年の状況を三重県内45ヶ所の小児科定点医療機関からの患者届出数でみると、2000年241人、2001年169人、2002年107人、2003年29人、2004年7人と減少し、その後は2005年、2006年まで届出はありませんでした。
 2007年は、3月中旬頃から関東地域で10代〜20代を中心にみられた流行が地方へも波及し、5月をピークに全国的な流行がみられました。三重県では、麻疹5人、成人麻疹(基幹9定点からの報告)7人の届出がありました。
麻疹は、ワクチン接種により95%以上の児で抗体を獲得するとされており、ワクチンの有効性は明らかです。ワクチン接種年齢は生後12〜24ヶ月(1期)と、5歳以上7歳未満で小学校就学前の1年間(2期)です。1歳の誕生日を迎えたら早期に予防接種を受けましょう。

三重県では2004年9月から2007年12月まで、地域における患者発生状況を正確に把握するため、上記の小児科定点医療機関からの患者届出に加え、三重県医師会、三重県小児科医会等の協力のもと患者全数把握調査を行ってまいりましたが、2008年1月からは、感染症法に基づく全国一律の全数把握調査へ移行することとなりました。詳細はこちらをご覧ください。

麻疹・風疹ワクチン接種の奨め(平成17〜21年度抗体保有状況調査結果)(2010年2月22日)

全国の麻疹発生状況(国立感染症情報センター)
  麻疹(注目すべき感染症)IDWR,2007年第51週(2008年1月15日)  

麻疹Q&A (東京都健康安全研究センター 作成:更新日:2007年4月23日)

三重県の麻疹定点当たり患者届出数
2007年第52週(12月24日〜12月30日)まで:2008年1月7日更新
2000〜2007年の保健所別・週別の患者届出数を見る


全国の麻疹定点当たり患者届出数
IDWR−全国感染症発生動向調査週報より(2007年第52週現在):2008年1月22日更新

全国の成人麻疹定点当たり患者届出数
IDWR−全国感染症発生動向調査週報より(2007年第52週現在):2008年1月22日更新

麻疹罹患後、急性脳炎で死亡した成人女性例:IASR,25(7),182-183(2004)

麻疹(Measles)って、どんな病気?

1 麻疹とは…?

 RNAウイルスである麻疹ウイルスによっておこる急性発疹性疾患です。
 10〜12日の潜伏期のあと、発熱、咳、鼻汁、あるいは結膜炎の症状がでます。その後発疹が現れる1〜2日前頃に麻疹に特徴的なコプリック斑が頬粘膜にみられます。発熱は一旦、低下するかのようにみえますが、再び高くなり、それとともに赤い発疹が出現します。発疹は斑丘疹で、毛髪線から始まり、顔面、頚部に出ると、手足に向かって広がります。5〜6日持続した後、出現したのと同じ順序で消退し、あとに色素沈着を残します。
 合併症は5歳以下あるいは20歳以上で多くみられ、約30%の患者が一つ以上の合併症をおこすと言われています。下痢が患者の8%、中耳炎が7%、肺炎が6%におこると報告されており、肺炎はウイルス性の場合もあれば、細菌性(重複感染)のこともあります。脳炎は1000例に1例程度報告されており、死亡率は約15%で、後遺症が25%に残るとされています。肺炎・脳炎の合併は年少であるほど死に至る危険性が高く、感染を予防することがもっとも重要となります。
   また、麻疹ウイルスの持続感染によると考えられている亜急性硬化性全脳炎(SSPE)が麻疹患者の100万例に5〜10例おこると言われています。進行性の神経症状、痴呆症状を示し、最終的には死に至る予後不良の疾患ですが、米国では 麻疹ワクチンの普及により激減しました。

2 流行疫学

   基本的に空気感染、飛沫感染により、ヒトからヒトへ感染し、本邦では通常春から夏にかけて流行します。自然宿主は人間のみで、その他の動物が宿主となることは現在までに知られていません。感染性は非常に高く、感受性のある人が暴露を受けると90%以上が感染します。発疹出現の4日前から出現後4日目までは感染性があります。

3 最近の動向

   麻疹は、過去1984年に大きな全国流行を経験していますが、1991年の流行はやや小さく、ここ5年間は大きな全国流行はありません。とはいえ、未だに毎年地域的な流行は見られています。感染症発生動向調査では約2500の定点から年間約2万例の報告があり、実際にはこの10倍以上の患者が発生していると考えられています。

4 予防と発生時の対策

   特異的治療法はなく、対症療法が中心となりますが、中耳炎、肺炎など細菌性の合併症をおこした場合には抗生剤の投与が必要となります。それ故に、予防が最も重要です。予防接種法では 生後12〜24ヶ月の児(1期)と5歳以上7歳未満で小学校就学前の1年間にある児(2期)となっています。1歳 になったらできるだけ早期に接種することが望ましいとされています。接種により95%以上の児で抗体を獲得するとされており、ワクチンの有効性は明らかです。
   副反応として、接種後10日前後に発熱が約30%に、同時期に発疹が約10%に認められます。いずれも軽症でありほとんどは自然に消失します。ごく稀に(100〜150万接種に1例程度)脳炎を伴うことが報告されていますが、麻疹に罹患したときの脳炎の発症率に比べると遙かに低くなります。


引用(参考)文献

全国感染症発生動向調査週報(IDWR),感染症の話(2003年第3週号),国立感染症研究所感染症情報センター

病原微生物検出情報,Vol.25,No.3(2004),国立感染症研究所他

医師からの都道府県知事等への届出のための基準