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A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

 例年夏季(7〜9月)を除き、三重県、全国ともに流行が見られる疾患で、人との接触の機会が増加すると罹患しやすくなります。
 三重県における流行状況を定点医療機関当たりの年間患者数の推移でみると、2006年に101.1人と過去最大の流行となり、これに続く2007年も84.9人と大きな流行がみられました。近年は2011年61.7人、2012年69.8人、2013年43.8人となっています。
 
 2018年9週(2月26日〜3月4日)現在の定点当たり週間患者数は2.0人(92人/45定点)となっています。うがい、手洗いを励行し感染予防に努めましょう。

保健所管内別・週別患者届出数を見る

地図による流行の推移を見る


学校等欠席者システムによる保健所管内別欠席者報告数

国立感染症研究所感染症疫学センター
全国のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎定点当たり患者届出数(最新情報)
国立感染症研究所のホームページより


都道府県別・今週の届出数/定点当たり届出数



A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(Group A hemolytic streptococcal infection)って、どんな病気?

1 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは…?

 原因となるA群溶血性レンサ球菌は一般的によく見られるグラム陽性球菌で、多彩な臨床症状を引き起こします。感染すると通常 1〜4日の潜伏期を経て、突然の発熱(38.5℃以上)と全身倦怠感、咽頭痛、嘔吐などで発症します。他の上気道炎に比べて咳や鼻汁は軽度ですが、咽頭、扁桃粘膜に著明な発赤を認めるほか、頚部リンパ節の腫脹が高頻度にみられます。特殊な病型として猩紅熱があり、軟口蓋の小点状出血あるいは苺舌がみられることがあります。合併症として、肺炎、髄膜炎、敗血症などの化膿性疾患、あるいはリウマチ熱、急性糸球体腎炎などの非化膿性疾患を生ずることもあります。

2 流行疫学

 本疾患はいずれの年齢でも起こりますが、学童期に最も多く、3歳以下や成人では典型的な臨床像を呈する症例は少なくなっています。一般的に秋から冬にかけてが流行期とされていますが、感染症発生動向調査のデータから、春から初夏にかけても患者数の増加がみられています。近年報告数が増加する傾向にありますが、キットの普及などで診断技術が向上したことによる影響も考えられます。潜伏期での感染性については不明ですが、通常患者との接触を介して伝搬するため、ヒトとヒトとの接触の機会が増加するときにおこりやすくなる疾患です。

3 予防と発生時の対策

 治療にはペニシリン系薬剤が第1選択薬として使用されますが、アレルギーがある場合にはエリスロマイシンが適応されます。また第1世代のセフェムも使用可能です。いずれの薬剤もリウマチ熱、急性糸球体腎炎など非化膿性の合併症予防のために、少なくとも10日間は確実に投与することが必要となります。除菌が思わしくない例では、クリンダマイシン、アモキシシリン/クラブラン酸、あるいは第2世代以降のセフェム剤も使用されることがあります。
 予防としては、うがい、手洗いなどの一般的な予防法の励行はもちろん、患者との濃厚接触をさけることが最も重要です。集団発生などの特殊な状況では接触者に対して咽頭からの菌検出を行い、陽性であれば治療を行う必要があります。

引用(参考)文献

NIID 国立感染症研究所 IDWR感染症の話

医師からの都道府県知事等への届出のための基準

感染症予防必携,財団法人日本公衆衛生協会