予防接種

 各種の感染症に対する免疫を持たない方に予防接種を行うことにより、感染や発病の予防、症状の軽減、病気のまん延防止などが期待できます。

リンク
三重県予防接種センター
(独立行政法人国立病院機構 三重病院内)電話相談
こどもとおとなのワクチンサイト
(日本プライマリ・ケア連合学会)
日本の予防接種スケジュール
(JIHS感染症情報提供サイト)
予防接種情報
(厚生労働省)
予防接種のページ
(JIHS感染症情報提供サイト)
海外渡航のためのワクチン
(厚生労働省検疫所 FORTH)

定期の予防接種対象疾病

【A類疾病】(主に集団予防、重篤な疾患の予防)

BCGワクチン(結核)

 生後1歳に至るまでに接種すること(標準的な接種は生後5ヶ月から8ヶ月)となりました。 BCGを接種することにより、結核の発症を52~74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度予防することができるという報告(Colditzet al., 1995)もあります。(厚生労働省「結核とBCGワクチンに関するQ&A」より)

MRワクチン(麻しん・風しん混合)

 MRワクチンは、感染力が非常に強く、肺炎などの重篤な疾病を起こす麻しんや風しんを予防できます。定期接種の第1期は1歳の1年間(1歳の誕生日の前日から2歳の誕生日の前日まで)、第2期は小学校入学前(5歳以上7歳未満)の1年間で、合計2回の接種を受けます。定期接種対象者以外の方でも、罹患歴や予防接種歴が不明の方は接種を検討しましょう。先天性風しん症候群のリスクから赤ちゃんを守るためには、妊娠を希望する女性だけでなく男性の抗体保有率を高めることも大切です。(厚生労働省「MRワクチン」)

5種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ・インフルエンザ菌b型(ヒブ)混合)

 令和6年4月から5種混合ワクチンの定期接種が開始されました。1期初回接種は生後2~7か月に至るまでの間に20日以上(標準20~56日まで)の間隔をおいて3回接種し、1期追加接種は初回接種終了後6か月以上(標準6~18か月未満)の間隔をおいて1回接種します。なお、4種混合ワクチンとHibワクチンで接種を開始された方は、原則、同一種類のワクチンを用いることとされています。(厚生労働省「5種混合ワクチン」)

4種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ)

 1期初回接種は生後2~12か月に至るまでの期間を標準的な接種期間として20日以上(標準20~56日まで)の間隔をおいて3回接種します。1期追加接種は初回接種終了後6か月以上(標準的には12~18か月まで)の間隔をおいて1回接種します。(厚生労働省「5種混合ワクチン(4種混合ワクチンを用いる場合)」)

2種混合ワクチン(DT:ジフテリア・破傷風)

 11~13歳未満(標準11歳以上12歳未満)の間に1回接種します。( 四種混合または五種混合ワクチンを接種した方に、ジフテリアおよび破傷風の第2期として接種)(厚生労働省「DTワクチン」)

日本脳炎ワクチン

 ワクチンにより、日本脳炎の罹患リスクを75~95%減らすことができると報告されています。1期接種:初回接種は3~4歳の期間に2回と追加接種として2回目の接種を行ってから概ね1年を経過した時期に1回。2期接種:9~10歳までの期間に1回。(厚生労働省「日本脳炎」)

ヒブ(Hib:ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)

 2013年にHibワクチンが定期接種化された後、小児のHibによる侵襲性感染症例は顕著に減少しています。単味のHibワクチン(対象年齢は2か月~5歳未満、接種回数は開始年齢により異なる)または5種混合ワクチン(2024年4月から定期接種で使用)があります。(厚生労働省「5種混合ワクチン(Hib感染症)」)

小児肺炎球菌ワクチン(PCV20:沈降20価肺炎球菌結合型)

 2024年4月から使用されている沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)は15種類の肺炎球菌に対して予防効果があります。一方、2024年10月から定期接種に使用されている沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)は、計20種類の肺炎球菌に対して予防効果があります。対象年齢は2か月~5歳ですが、接種回数は開始年齢により異なります。なお、沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)で接種を開始した方は、原則としてPCV15で全ての接種を行うとされています。(厚生労働省「肺炎球菌感染症(小児)」)

水痘ワクチン(水ぼうそう)

 水痘ワクチンの1回の接種により重症の水痘をほぼ100%予防でき、2回の接種により軽症の水痘も含めてその発症を予防できると考えられています。定期接種は生後12~36ヶ月に至るまでの間にある方を対象として、2回の接種を行います。(厚生労働省「水痘」)

ロタウイルスワクチン

 ワクチンは1価(2回接種)と5価(3回接種)の2種類あり、同様の効果があります。同じワクチンで、決められた回数の接種を受けます。いずれも初回接種の標準的接種期間は生後2か月から出生14週6日後までとしています。(厚生労働省「ロタウイルスワクチン」)

子宮頸がん予防ワクチン(HPV:ヒトパピローマウイルス)

 子宮頸がんは、数年から数十年にわたって、持続的にHPVに感染した末に発症するとされています。子宮頸がん予防ワクチンは、新しいワクチンなので、子宮頸がんそのものを予防する効果はまだ証明されておりません。しかし、持続的なHPVの感染やがんになる仮定の異常(異形成)を予防する効果は確認されており、これに引き続いて起こる子宮頸がんを予防する効果が期待されています。標準的な接種は、中学1年生となる年度に開始し、3回接種します。(厚生労働省 「子宮頸がん予防ワクチンQ&A」)

B型肝炎ワクチン

 B型肝炎は、B型肝炎ウイルス感染によっておこる肝臓の病気です。定期接種の対象は0歳児(標準2~9か月未満)で、3回の接種を行います。ワクチン3回接種後の感染防御効果は20年以上続くと考えられています。なお、母子感染予防のためのB型肝炎ワクチン接種を含む治療を受けた方については、健康保険給付の対象となっていることから、定期接種の対象者となりません。(厚生労働省「B型肝炎」)


【B類疾病】(主に個人予防)

季節性インフルエンザ

 高齢者に対するインフルエンザワクチンによって、重症な肺炎などにかかることを予防できます。65歳以上の方と、60~64歳で一定の基礎疾患がある方※は毎年1回接種ができます。現行のインフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありません。しかし、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。(厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」)
 ※:心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方。

肺炎球菌(高齢者)

 高齢者に対する肺炎球菌ワクチンによって、重症な肺炎などにかかることを予防できます。65歳以上の方と、60~64歳で一定の基礎疾患がある方※(※:インフルエンザと同様)は1回接種ができます。肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。日本人の約3~5%の高齢者では鼻や喉の奥に菌が常在しているとされ、何らかのきっかけで気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。肺炎球菌には90種類以上の血清型があり、定期接種で使用されるワクチンは、そのうち23種類に効果があります。(厚生労働省「高齢者の肺炎球菌ワクチン」)

新型コロナ(高齢者)

 新型コロナワクチンについては、有効性や安全性が確認された上で薬事承認されており、さらに、国内外で実施された研究などにより、新型コロナウイルス感染症にかかった場合の入院や死亡等の重症化等を予防する重症化予防効果が認められたと報告されています。令和6年度10月から、自治体による定期接種を実施しており、65歳以上の方と60歳~64歳で対象となる方※(※:インフルエンザと同様)が対象とされていますが、各自治体において設定した自己負担額がかかります(低所得者を除く。)。(厚生労働省「新型コロナワクチンについて」)