流行性耳下腺炎は、年間を通して患者発生があり、4~5年周期で大きな流行がみられます。 三重県では2016年から2017年にかけて大きな流行がみられましたが、近年は低い水準で推移しています。
この疾患の原因であるムンプスウイルスは唾液を介して飛沫感染します。潜伏期間が2~3週間と長く、症状が現われる前から唾液中にウイルスが排泄されます。このため、集団発生時の対策が難しく、合併症として髄膜炎、脳炎、膵炎、難聴などがみられます。効果的に予防するにはワクチンが唯一の方法といわれています。
警報レベルを超えた場合、大きな流行が発生または継続していることが疑われる、注意報レベルを超えた場合は、大きな流行が発生する可能性がある又は流行が終息していな可能性が疑われます。これらはあくまで流行状況の指標であり、都道府県として発令される「警報」とは異なります。
本年の定点あたり報告数が、赤色折れ線を超えているときは、過去5年間と比較してかなり報告数が多いことを示しています。(過去5年間の平均:当該週とその前後の週の計15週の平均)
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1 流行性耳下腺炎とは…?
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)は、ムンプスウイルスの感染により両側または片側の耳下腺の腫脹をきたす疾患です。3~8歳の小児に多く見られ、通常1~2週間で軽快しますが、合併症として髄膜炎、脳炎、膵炎、難聴などがみられます。その他思春期以降の感染で、成人男性には睾丸炎、成人女子には卵巣炎が見られることがあります。
2 流行疫学
例年7月(夏季)と12月(冬季)をピークに年2回の地域的な流行が見られ、数年毎の周期で発生が増減します。ムンプスウイルスは感染力が強く、同居家族や学校では高率に感染することが報告されていますが、感染しても症状が現れない不顕性感染が30~35%あるといわれています。
3 予防と発生時の対策
ムンプスウイルスは唾液を介して飛沫感染します。潜伏期間は2~3週間と長く、ウイルスは症状が現われる前から唾液中に排泄されます。したがって、集団発生時の対策が難しく、流行を効果的に予防するにはワクチンが唯一の方法とされています。